「ご(お)~できる」#気になる敬語

自宅近くのパーキングの精算機に、高額紙幣は使えないという説明が書かれていました。

 

「高額紙幣はご使用できません」

 

恐らく「使用できない」に接頭辞「ご」を付けて、丁寧語の「ます」を付けたのでしょう。

 

ここで、「ご使用できる」の部分だけを取り出し、「できる」を可能の意味のない、通常の動詞に戻すと、「する」になります。

つまり、「ご使用する」です。

つまり、動詞に「ご(お)」を付けて、動作の<向かう先>を立てる使い方です。

つまり、精算機を立てていることになります。(百歩譲っても、パーキングの会社を立てています。)

つまり、

「この精算機様に対しては、高額紙幣は使えないので使用する者は心得ておくように」

という意味です。(わかりやすいようにデフォルメしました!)

つまり、誤用です。

 

正しい言い方は、

「高額紙幣はご使用になれません」

です。

 

とある企業のサイトが落ちてしまったのか、そのサイトには

「現在、サービスをご利用になれません」

と表示されていました。

これが正しい使い方です。

 

「ご(お)~になる」という基本的な言い方の「なる」の部分を可能形に変えることで、動作の主体を立てたい場合の可能表現「ご(お)~になれる」になります。

 

では、また気になる敬語を見つけたらお伝えします。