何度も読んでいるので、少しヨレヨレになってしまいました。
丸善ライブラリーの菊地康人先生の本です。この先生は、バランス感覚が良いというか、なんというか……、とてもスマートです。
ご紹介する本は、『敬語再入門』とありますが、敬語初心者でもわかりやすいと思います。
Q&A方式で100個の項目があります。100個すべてを読むと、敬語の全体像が把握できる構成になっています。一つ一つの項目が1ページから3ページなので、手軽に読め、必要なところだけ読むこともできます。
専門的な研究の成果発表のように難しい本でもなく、シーン別に使い方を羅列して、例示された言葉を丸暗記する類の本とも異なり、各項目を読むことで、基本法則を理解できるようになっています。知的好奇心も満足しますし、実用的にも役立つ本です。
この辺りが、バランス感覚がよくスマートな先生だと私が感じる所以です。
無理なく正しい敬語を使うには、これとこれをメインに覚えておくといい、というように一般読者にあわせた説明を(それも、上から目線でなく)してくださる一方、誤った敬語の使い方は、大衆に迎合することなく、淡々と指摘していらっしゃいます。
付録として、「敬語腕試し」のコーナーもありますので、やってみてはいかがでしょうか。
最後まで読み終わった後も、言葉に迷ったときに引く辞書のように、机の上に置いておいて、敬語に迷ったら開いてみる本です。
では、また。
※現在販売中のものは表紙が変わっているようです
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