「お(ご)~する」は謙譲語ですよ #気になる敬語

先日、映画を観に行ったところ、映画館近くのレストランに、映画の半券を見せるとサイドメニューを一品サービスするという看板がありました。

 

そこに書かれていた言葉が、本日のテーマです。

 

 

「 ※ご飲食する方に限る 」

 

シンプルに尊敬語と勘違いして使っているのでしょう。この「お~する」は<向かう先>を立てる言い方ですので、これでは店側を立てるべきと強要しているようなものです。

※<向かう先>を立てる接頭辞「お」と「ご」の使い方については、このサイトの 2時間目:接頭辞「お」「ご」 の中の 「動詞に付ける」をお読みください

 

そこに「方」という尊敬語を使うのは「コノヤロー様」というような矛盾した言い方になってしまいます。

 

もちろんそんなつもりがないことは、はっきりわかりますが、せっかく敬語を使っているのに、もったいないことですね。

 

正しい言い方を例示してみます。

 

・飲食なさる方に限る

・ご飲食の方に限る

・飲食する方に限る

・店内飲食時のみ

 

ほかにもあるかもしれません。

正しければ、何を使ってもよいのですから、自分のお店にあった雰囲気、敬度の言葉を選んで使ってもらいたいものです。

 

では、また。