ご使用になられている#気になる敬語

これぞ”二重敬語”と言いたくなるような、典型的な誤用がありました。

 

今回のお題は「ご使用になられている」です。

 

元になっている基本動詞は「使用する」です。

スル動詞と呼ばれる「使用する」を尊敬語にする方法は、大きく3つあります。

①受身形にする……「使用される」

②付加形にする……「ご使用になる」

③特定形にする……「使用なさる」

 

一つの単語を、二重に尊敬語に変化させることを二重敬語と言います。

二重に謙譲語に変化させても二重敬語です。

もちろん、両方とも誤用です。

 

尊敬語にするのに上記の3種類方法があるとすると、①+②、①+③、②+③と3通りの二重敬語が出来上がる可能性があるのですが、実際によくみられるのは、今回の例のような①+②のパターンです。

 

おそらくは、「ご使用になる」の「なる」の部分を見て、これは尊敬語だろうかと不安になるのでしょうね。そして、やはり「なる」のままではさみしいと、受身形の「なられる」にしてしまうのでしょう。

 

自分が何を尊敬語にしたのか忘れてしまうとこのようなことになってしまいます。

この場合、「使用する」を尊敬語にしたのですから、尊敬語にした結果の一部だけを見てはいけなかったのです。

 

皆さん、尊敬語は上記①②③のどれかを選んで使ってください。

くれぐれも組み合わせないようにお願いしますよ。

 

なお、少し話がずれますが、「使用している」という意味の「ご使用になっていらっしゃる」などを二重敬語と呼ぶ人がいます。

「使用して」を尊敬語にすると「ご使用になって」、

「いる」を尊敬語にすると「いらっしゃる」なので、

「ご使用になって+いらっしゃる」は「尊敬語+尊敬語」だから二重敬語だという理論ですが、間違いです。

 

これは、もともと「使用する」と「いる」の二つの基本動詞があって、それぞれを正しく敬語にしただけです。(敬語と敬語が連なっているので、「敬語連結」と呼ばれたりします。)

敬語の出現頻度が高いと煩わしい印象を与えやすくなり、「過剰敬語」と言われることはあるかもしれませんが、誤用ではありません。

 

それでは、また。


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