コミュ障と敬語

■コミュ障とは

コミュ障とはコミュニケーション障害の略です。

 

コミュニケーション障害」というとれっきとした診断名ですが、一方で、病院へ行くほどでもない、日常生活も支障があるというほどではない、ただ、普通の人が楽しいと感じるはずの雑談や遊びが上手にこなせずつらい、という場合には「コミュ障(ダウナー系コミュ障)」と使い分けられるようです。

 

要するに病院へ行くか行かないかという意思と選択の問題のようにも思えるのですが、コミュ障とはいえ、重症になると引きこもってしまうということもあるようです。そこは、読み書きそろばんができるなら働いたほうがいいに決まっています。生活費が保証されている人以外は、コミュ障と自覚している本人も、コミュニケーション障害と診断された人も、おそらくそう思っているのではないでしょうか。

 

■ビジネスにおいて雑談は必須スキルではない

雑談ができないことと、人と話せないことは全く別問題です。

 

雑談は、うまい人もいるかもしれませんが、それをスキルとして教えれば誰でもうまくなるというものでもありません。あの人とは雑談がはずむけど、あの人とは何を話したらいいのかわからないというような経験は誰もがあるでしょう。

 

雑談できるかどうかに、コツのようなものはあるでしょうが、相性の問題でもあります。

 

雑談をしないからといって褒められる会社はあってもクビになる会社はありません。もし雑談が得意で上司に気に入られ、雑談をしないことで上司に嫌われ、それが業務上にも影響を及ぼすような会社があったら、会社の方向性や評価基準が明確になっていない証拠です。業務上の影響が自分にとって耐えがたいものであれば、転職を考えればよいでしょう。転職しなくて済むならそれに越したことはありませんが、雑談ができない自分を責めるようなことではありません。

 

■ビジネスコミュニケーションにおいては敬語が指針になりうる

なぜ敬語を教えている私がこのような話をしているかというと、敬語のルールが、基本的な社内コミュケーションの役に立つからです。慣れてくれば、お客様対応をはじめとする社外対応にも一定のルールがあることがわかるでしょう。

 

ルールがなく難しい雑談と異なり、ビジネス上のコミュケーションにはお互いに役割があり、役割にのっとった話し方があります。仕事の内容によって話すべきことも決まっています。仕事の内容は一般化できませんが、役割にのっとった話し方は一般的なルールがあります。それが敬語です。

 

そもそも敬語とは、上下の関係性を明らかにし、お互いの立場を守るためのものです。例えば庄屋さんと村長さんと、どちらが偉いか分かってますよということを言葉で表すものであり、村民全員が使えなければならない。ということは、誰でもが理解し使えるルールなのです。

 

多くの人が敬語を使えないのは、習っていないからというだけであり、きちんと学習すれば、誰でも使えるようになります。

 

敬語は難しい、と敬遠せず、コミュニケーションを助けるガイドラインと思って勉強してみてほしいと思います。

 

それでは、また。