たまたま、ネットで見つけたページです。
■「偉大なる弊社は」
「おかれましては」を丁寧語だと思ってしまったんでしょうね。
これは「~においては」「~には」という本来場所を表すはずの「~」に主語が入っている状況態というものです。ある種の婉曲表現なので、敬意を表すことになります。
例)
「貴兄においては賢明な判断を……」
「皆さま方には益々ご清祥のことと…」
ただし、「~においては」「~には」ということであれば、必ずしも尊敬のための婉曲表現と限定はできないので、下記のような使い方もあります。
「弊社においてはこのように行ってまいりました」
「弊社では行っておりません」
しかし、「おかれましては」と受身形にしてしまうと、尊敬表現と確定され、その敬意をさらに強調します。
つまり、「弊社におかれましては」では「偉大なる弊社は」と言っているのと同じです。
ちなみに、「弊社」は「自社」をへりくだって述べる言い方です、念のため。
■文法と意味
敬語を使おうとするときに、ネットで似たような文章を探して真似ていませんか。
敬語は適切な使い分けが必要なので、全く同じ状況ではないものをいくら真似ても、このような間違いを犯してしまいます。
この文章を作った人が、ネットで探した文章を参考にこの文章を作ったのかどうか確認することはできませんが、敬語の文法と意味の両方を理解したうえで正しく使ってほしいものです。
■正しくは
「弊社におかれましては」を正しく言うと、
「弊社は」「弊社では」などです。
それでは、また。