「承知しました」「畏まりました」の代わりになる言い方はありませんか?

「承知しました」「畏まりました」では堅すぎるので、他に適切な言い方はないかというご質問にお答えしたいと思います。

※おそらく、上司から指示をされたときの受け方ということかと思いますので、その前提で話を進めます。

 

似た意味の言葉で、かつ、もっと柔らかい言葉としては、「分かりました」「やっておきます」などがあります。

 

しかし、質問してくださった方も、そんなことはご存じでしょう。

「了解しました」では相手を対等に見ていることになってしまうので、上司には使えない、そこで、「承知しました」「畏まりました」を使わざるを得ないということが質問の発端かと思うのですが、敬語とは「上司だから」必ずこう言わなければならないというものでもありません。「了解しました」でも十分問題ない関係性もあるでしょうし、「分かりました」「やっておきます」でよい職場もたくさんあるでしょう。

 

ひとくちに上司といっても、上下関係を重視する上司から、なるべくフランクに接したい上司までいます。配下になってすぐであれば、お互いに距離を取りますが、冗談を言い合えるような仲になれば言葉遣いも変わるものです。

 

親しき中にも礼儀あり、という言葉もありますから、どこまで上司にフランクに接してよいのかというは難しいのですが、判断基準は以下の3つです。

 

1.場

会社には、それぞれ文化があります。

社内のコミュニケーションであれば、その会社が培ってきた文化を無視することはできません。

周りの人がみんな「承知しました」と指示を受けているのであれば、それを踏襲することが、企業文化を尊重することになります。

 

企業文化ではなくても、自分の先輩が上司からの指示を「承知しました」と受けていれば、自分が先輩よりもくだけた言い方をするわけにはいきませんね。

 

そのように、場に合わせて言葉を選ぶということが一つです。

 

2.事の重大性

指示された内容がルーティン作業でいつもこなしていることだったり、簡単なことであれば、選ぶ言葉は軽くなります。

 

それが、重要な指示であれば、使う言葉は重くなります。

 

3.相手との関係性

相手がどういう言い方を望んでいるかということです。

他の場面でフランクに話しているのに、指示を受けたときだけ敬語ではかえって不自然です。

 

逆に、さっきミスをしてこっぴどく叱られたばかり、というようなタイミングであれば、普段よりも堅い言葉が選ばれるでしょう。

 

 

■軸があること

大切なことは、常に敬語を使うことではなく、敬語が使えるのは単なる前提であり、そのうえで適切な言葉を主体的に選べるということです。


「こいつ、敬語知らないな」ではなく、
「こいつは敬語も分かってる。場も読んでる。そのうえであえて今回はこの表現を選んだんだな。」と感じてもらうということです。

これには、誰か偉い先生が決める正解があるわけではなく、自己表現として選ぶからこそ配慮になります。

 

敬語は上下と距離を意識するための言葉です。

状況に応じては、敬語を控えたほうがいいこともあります。

 

それでは、また。

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