読者の方から、下記のご質問を頂きました。
「言う」を敬語にすると「おっしゃる」ですが、これは文書で書くときは「仰る」と漢字にしたほうがいいのでしょうか。メールやブログに「仰る」って書いても、相手は読めるかなぁと、少し使うのをためらいます。「言う」なら読むのも簡単ですが、「仰る」だともしかしたら「あおる」なんて読んでしまわないかと…。
漢字を使うべきか平仮名を使うべきか、話し言葉では考える必要のないことですが、文章にしようとすると迷いますよね。そんな読者からのご質問にお答えし、敬語とは少し違いますが、今回は漢字の使い方についてご説明します。
■漢字は開いたり閉じたりする
文字を漢字にすることを「閉じる」、漢字を平仮名に直すことを「開く」といいます。
全体的に読みやすい配分は、漢字が3割、平仮名が7割とも言われますが、ブログなどでは徐々に平仮名の比率が高まっているような気がします。
それ以外に、文字の続き具合にも注意が必要です。
「漢字+送り仮名」なら、ぱっと見ただけでひとまとまりを認識できます。
一方で、漢字ばかりが続いたり、平仮名ばかりが続いたりすると、どこまでがひとまとまりなのかをまず判断する手間がかかります。
文脈の共有をリアルタイムで行っている口頭での会話の場合は問題なくても、文章の場合は、助詞や句読点を足して、読みやすくしてやるような配慮も必要です。
例)口語「私行きます」
文語「私、行きます」「私が行きます」
■漢字は常用漢字を使う
別に罰則があるわけではありませんので、誰もが絶対に従わなければならないというものではありませんが、使用する漢字の目安は国が決めてくれています。
それが、常用漢字です。
公開されていますので、誰でも見ることができます。
常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)
開くべきか閉じるべきか迷ったら、常用漢字表で調べてみるとよいでしょう。
ご質問の「仰る」を調べてみると「おっしゃる」という読み方はないということが分かります。
そこで、「おっしゃる」は平仮名で書こうと判断できることになります。
※ただし、常用漢字表もすべての例が載っているわけではありません。例えば「学」という字を調べると「ガッ」という読みは載っていませんが「学校」は「ガッコウ」と読みます。
さて、ご質問の回答になったでしょうか。
それでは、また。