深謝の「謝」って「謝罪」?「感謝」?

表題は、読者の方から頂いた質問です。

 

さて「深謝」とは、「深く謝る」ことでしょうか。それとも「深く感謝する」ことでしょうか。真逆の意味なので、使い方に迷いますよね。

 

実は、深謝の「謝」は感謝の謝でもあり、謝罪の謝でもあります。

 

■「深謝」の意味

 

goo辞書深謝(しんしゃ) の意味を見ると、以下のようにあります。

  1.  心から感謝すること。「御厚情を深謝する」

  1.  心からわびること。「不手際を深謝いたします」

 

例文が付けられていますが、「御厚情に感謝する」や「不手際をお詫びいたします」とは、どう違うのでしょうか。

 

これは、「深く感謝する」「深くお詫びする」ということなので「感謝」や「お詫び」よりも「深謝」のほうが強い意味を持ちます。

 

そうなると、このような疑問も出てくるのではないでしょうか。

”感謝と謝罪の両方の意味を持ち、しかも強い気持ちを表すなら、いつも「深謝」を使えばいいんじゃないの?”

 

■「深謝」は軽々しく使わない

 

まず、「深謝」は対面や電話では使わず、文書でのみ使います。

「シンシャ」と電話口で言われたときに、誰もが「深謝」という漢字をすぐに思いつくとは限らないからです。

 

また文書であっても、便利だからという理由で使う言葉は、仰々しければ仰々しいほど気持ちが伝わらず慇懃無礼に見えます。

最大限の敬語を使っても状況に合っていなければ敬意が伝わらないのと全く同じですね。

 

「感謝します」「ありがとうございます」や、「お詫びします」「申し訳ございません」などではどうしても足りないときにのみ使うようにしましょう。

 

それでは、また。