ビジネスマナーを説くサイトを鵜呑みにしてはいけない実例

間違いを見つけられますか?

とあるサイトに以下の説明が記載されていました。



そのサイトを責めることが目的ではないので、引用元の記載はしません。

ただ、ビジネスパーソン向けにマナーの大切さを説く記事でしたので、できれば多くの人の目に触れる前に、こっそりでいいので修正しておいていただけたらな、とは思います。

 

さて、その記事のどこが問題か分かりますか。

3つの例のうち、2つが適切でない

「拝見します」「ご覧になりましたか?」「伺います」

これらは執筆者の言う通り、正しい敬語です。

 

ただし、「拝見させていただく」「伺わせていただきます」は二重敬語ではありませんし、文法上、間違いとは言えません。

 

例えば、通常は公開されていない貴重な絵画を、所有者の特別な許可のもと見せてもらうことができたとしたら、どうでしょうか。

「ありがたく拝見させていただきます」

と言うのは正しい敬語の使い方です。

「伺わせていただきます」も同様です。

 

「よくやりがちな二重敬語」としてあげている3つの例のうち、二重敬語は「ご覧になられましたでしょうか」1つだけで、残りの2つは二重敬語ではないのです。

 

それでは、なぜこのような間違った記事を書いてしまうのでしょうか。

 

それは、「二重敬語」の意味を知らずに使っているから、だと思われます。

二重敬語とは

二重敬語とは、”1つ”の動詞を2回以上敬語に変換することです。

 

既に過去の記事で説明していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

 

「お待ちになっていらっしゃる」は二重敬語ではないんですか?

 

「ご覧になる」は二重敬語?

 

今回の例で言うならば、「拝見させていただく」ではなく「ご拝見します」であれば、二重敬語です。

同様に「伺わせていただきます」ではなく「お伺いします」であれば二重敬語ですが、こちらは正しい日本語として許容されています。

 

それでは、また。