「歌わせていただきます」「お付き合いさせていただいております」「ちなませていただく」……。
上記以外にも、当ブログでは何度も何度も「~ていただく」の誤った使い方について取り上げてまいりました。
今回は、こちらの画像をご覧ください。
某企業のホームページの一部ですが、全文に「させていただく」が出てくるというのは、いくら何でも多過ぎませんか?
これでは丁寧でへりくだった印象から、かえって遠くなってしまいました。公開する文面ならもう少し練れなかったものだろうかとのは私だけではないはずです。
言い換え例
このような文章を書いてしまうのは、敬語を知らないから、そして、周りに誰も敬語を教えてくれる人がいないから。
言葉に正解はありませんが、一つの例として、それぞれ言い換えを考えてみましょう。
① 一部返金にてご返金をさせていただきます
⇒ 一部返金いたします
② 「口座返金」に変更させていただく場合がございます
⇒ やむを得ず「口座返金」での対応となる場合がございます
③ 弊社からご連絡をさせていただきます
⇒ 弊社からご連絡さしあげます
もちろん、人によって状況によって、もっと良い言い回しはたくさんあることでしょう。「させていただく」だけに頼る必要は全くありません。
同じ言葉の繰り返しは幼く見える
特に同じ文末の繰り返しは、小学生の作文のように見えます。
昨日、お父さんと海へ行きました。
お父さんは、暑い暑いと言いました。
僕は、たくさん泳ぎました。
これが本当に小学生の文章ならほほえましいところですが、企業の公式ホームページに載っている文章がこれと同じレベルではブランドイメージにも関わります。
もちろん、意味を度外視して言葉を換えるのは本末転倒です。適切な言葉を選べば、それだけで同じ言葉の繰り返しになることは減り、それでも同じ言葉になるときには別の言い回しを検討してください。
それでは、また。