自社製なのは何?
まずはこちらの画像をご覧ください。
この画像を見ると、モヤモヤしませんか?
ベーコンエッグ「定食」ではなく「朝食」というのも少し違和感がありますが、朝限定ということを名称に入れたかったのでしょう。したがって今回のポイントはそこではありません。「自社製」がどこにかかるのかという点です。
可能性としては3つあります。
①ベーコン
②ベーコンエッグ
③ベーコンエッグ朝食
判断方法としては、②と③が他社製ということはそもそも考えづらいので、恐らくは①を指しているのだろうという結論になります。
あくまでも文章から読み取れるものではなく、推論でしかないため、なんだかモヤモヤするのです。
それでは、次の画像をご覧ください。
「お」がかかるのは何?
この画像も先ほどの画像と同様、モヤモヤしませんか?
ちなみに、看板に書かれた全文は下記のとおりです。
「お名入れタオル・手拭は ●●タオルへ」
さて、この「お」がかかる可能性は、やはり3つあります。
①名
②名入れ
③名入れタオル
では、先ほどと同様①かと言われると、安易にそうも言えません。
①だとすると、「あなた様の尊い名前」に対して敬意を表していることになります。
②だとすると、「あなた様にわたくしめがお入れします」という敬意です。
③だとすると、「これは素晴らしいタオルですよ!」と自社商品を美化して言っていることになります。
「自社製ベーコンエッグ朝食」は推察とはいえ結論が出せましたが、こちらの「お名入れタオル」はどの意味か分かりません。
念のために申し添えると、「別に読み手が都合のいいように受け取ってくれればいいよ」という姿勢を敬意とは呼びません。
基本、複合語に「お」は使えない
複合語とは、複数の単語を合わせて新たに一つの単語とすることです。
ここでは、「名」「入れる」「タオル」という3つの単語を合わせて「名入れタオル」という単語を作っています。
「お」は単語の頭に付くので接頭語といいますが、複合語の頭に付けても基本は美化語にしかなりません。「お客さまのところへ伺いましたがお留守でした」は問題ありませんが、「お客さまのお電話にお留守番電話はございますか?」が子ども扱いされているように感じるのはそのためです。「お留守番」でもダメです。
もちろん美化語として子ども相手に使うならOKですが、ビジネスの場では使わないようにしましょう。
それでは、また。