「白酒を召す」の「召す」とは

今日はひな祭りですね。
お雛様を飾る家庭もあるかもしれません。
せっかくなので、ひな祭りにちなんだ敬語をと思い、童謡「うれしいひなまつり」から「召す」を取り上げます。
※歌詞全文は下記よりご覧ください

「すこししろざけめされたか あかいおかおのうだいじん」

誰もが耳にしたことのある歌ですが、この「召す」という言葉が、この文脈では「飲む」という意味で使われています。

でも、普段もっともよく耳にするのは「召し上がる」という使い方ではないでしょうか。こうなると、「食べる」という意味です。他にも、「お召し物」と言えば「着る物」のことですから、この場合の「召す」は「着る」ですし、お風邪も「召す」と言います。お殿様ならお小姓だって「召し」ますし、なんなら「天に召される」ことだってあります。

言ってみれば、「召す」とは「する」よりも更に包括的な動詞です。

このように見ると、敬語は上下関係や人間関係の距離感を明確に表す一方で、何をしているのか、その内容自体は曖昧に表します。
暴かずに曖昧にしておくことが、敬意の一つの側面なのです。

それでは、また。


コメント: 2
  • #2

    遠入のどか (金曜日, 03 3月 2023 08:44)

    Tasaki Fujio様
    たしかに神社であれば、神様に召し使う人が必要でしょうから、そのような人を呼び出して「召人」というのでしょうね。
    不勉強なもので、初めて「召人」という言葉を使いました。
    教えてくださって、ありがとうございました。
    また、コメントをお待ちしております。

  • #1

    fujio tasaki (金曜日, 03 3月 2023 08:08)

    最近は神社の行事に関わることがあるのですが、召人に任じられるられるので呼び出されるの意もあるみたいです