問題部分だけ再掲すると以下のとおりです。
<下の一文が表す人間関係として、正しいものはどちら?>
「本をお貸しする」
<選択肢>
① 本を貸すほうが偉い
② 本を借りるほうが偉い
答えと解説
「お~する」は「~する行為者本人」よりもその行為をしてもらう人(「行為の受け手」を立てる敬語です。(「~」に入るのは、基本的に動詞の連用形)
「お貸しする」というときには、貸す人を立てず、貸してもらう人つまり借りる人を立てるので、正解は②です。
間違って①を選んでしまう人の場合、理由として考えられるものがいくつかあります。
・「お」だけで判断する
「お」を付けるのは偉い人、自分側の行為に「お」を付けてはいけないと間違って覚えていると、①を選んでしまうことになります。
「お~する」は、動詞の頭に付ける「お」と動詞の後ろに付ける「する」がセットになってはじめて意味を持ちます。そして、その意味するところは「~する人を立てない」です。
今回の問題文は「お貸しする」でしたが、「お」を付けない「貸しする」では日本語になっていませんし、「する」を付けない「お貸し」では敬語の意味が変わってしまいます。
・「貸すほうと借りるほうではどちらが偉いだろうか」と考える
敬語以外のものから判断してしまうと、せっかく敬語が使われていてもそれが示す情報を無視してしまうことになりかねません。まずは、「お~する」という敬語を使っているなら「~する人」を立てないんだなと理解してください。
復習問題
それでは最後に復習問題です。
次の問題文で敬語が立てている人はどちらでしょうか。
※「偉い」ではなく「立てている人」としてみました。
<選択肢>
①送るひと
②送られた人
<問題文>
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それでは、また。