おられるけ~方言に見る敬語#1

富山県の観光パンフレットで、富山弁が紹介されていました。

3つの方言が紹介されていますが、今回注目したのは一番上の「おられるけ」です。

標準語として正しいとされる敬語では、「居(い)る」という動作を行う人(=主体)を低く言うときにこそ「おる」を使います。(「わたくしは控室におります」など)

 

したがって、低める単語を使いつつ動作主体を立てる受身形にして「おられる」とすれば、立てたいのか低めたいのかが分からないおかしな敬語ということになってしまいます。

しかしここでは、いるかどうかを確認したいその対象を立てる言葉として使われています。

 

もしかすると、「いる」のほうが新しい言葉で、もともとは「おる」しかなかったのかもしれませんね。「おる」という言葉をそのままに「おられる」という敬語を使うようになった地域と、「おる」が「いる」に変化してさらに「いらっしゃる」と変化した地域があるとか。

 

もしくは、「居(い)る」という言葉の発音が「い」と「お」の中間のような音だったなんて想像もできませんか。それが、地域ごとに変化したとか。

 

このように好き勝手に想像するのも楽しいものですが、古文の知識がもっとあれば、より確実なことが言えるのかもしれません。学校で、もっとまじめに勉強しておけばよかったと少し後悔しています。

 

それでは、また。