「良いお年」の「お」は誰を立てているのか?

あけましておめでとうございます。

 

さて、年末のブログに、下記のご質問を頂戴しました。


良いお年の 「お」は目上の方の取る年に対する尊敬語でしょうか。


(このようにご質問や感想を頂戴できると、とっても嬉しいものですね)

 

通常の会話とは異なり文脈が色々と考えられるため、これとは断定できませんが想定できるものを挙げてみたいと思います。それでは、考えてまいりましょう。

① 数え年

数え年の考え方では、1月1日になれば誰もが一つ年を取ります。

質問してくださった方のおっしゃるとおり、これを「お年」と言ったのかもしれませんね。

 

※人を立てるわけではなく、この単語をこれから特別な使い方をしますよ、という意味で「お」を付けるなら、美化語です。もし「尊重されるべきあなた様の年」という意味で付けるなら、主体尊重です。

② 年神様

お正月には年神様を迎えます。「良いお年を!」で終わってしまうと隠れてしまいますが、きちんと言えば「良いお年をお迎えください」ですよね。ということであれば、正月に迎える「年」とは「年神様」のことであり、この年神様を「お年」と言ったのでしょうか。

 

③これからの一年

現在では、数え年という考え方よりも、これからの一年が良い年でありますように、という思いを込めて「良いお年を」と言っている人も多いかもしれません。

 

※「尊重されるべきあなた様の一年」という意味で付けるなら、主体尊重です。特に誰のものという意識はないままに使っているなら、一年の締めくくりであるあらたまった挨拶ということで、改まり語です。

 私が思いついたものは以上3つですが、ほかにもいろんな思いを込めて使われている方がいらっしゃるかもしれませんね。

 

それでは、どうぞ本年もよろしくお願いいたします