これを書いている現在、朝の8時です。皆さん、おはようございます。
このように「早い」という形容詞を「ございます」につなげる場合「はよう」と音が変化します。これを音便といいます。
さて、普段私は、敬語の間違いばかり重箱の隅をつつくように指摘しておりますが、今回はあっぱれ敬語です。
※「あっぱれ敬語」とは私が晴らしい!広めたい!残したい!と感じた敬語のことですが、もっといいネーミングがあったらすぐ変えますのでアドバイスをお願いしますW
さて、今回のこの言葉は以下の動画の50秒あたりから再生してもらうと聞くことができます。ここでは「30億円超と極めて大きゅうございます」と言っています。
このニュースを見た人にしてみたら、下請けの方々に減額分が戻されるということで良いニュースだったと思います。もちろん私にとってもそれは嬉しいニュースなのですが、こういう人が正しい敬語を使ってくれると、ひときわ嬉しいものがあります。
「おおきゅうございます」は正しゅうございます
形容詞には、本来「です」が付きません。したがって、文末に「大きい」を持ってくる場合、そのまま「大きい。」と言い切りにするか、動画の片桐氏のように「おおきゅうございます。」と言うしかありません。「おはようございます」の代わりに「早いです」と言う人はいませんよね。
しかし、日常会話において、実際に使用する頻度がもっとも高いのは、言い切りと「ございます」の中間の「です」です。
そこで、1952年には、国語審議会建議の『これからの敬語』によって、形容詞に「です」をつなげた「おおきいです」も正しい日本語であると認められました。
そうは言われてもこの「おおきいです」、何度聞いても読んでも、どこか子どもっぽい感じがします。本多勝一氏はこの「形容詞+です」の言い方を軽薄であり下品であるとして「サボリ敬語」と呼んでいたそうです。
国会で、相手を敬うはずの敬語を使っていながらも、のらりくらりと人を馬鹿にしたような答弁ばかり見させられ、嫌な気分になっていたのは私だけではないと思います。そんな中、国の行政機関である公正取引委員会が、記者会見という改まり度の高い場面にこそふさわしい正しい敬語を使い、明確に国民に対して説明してくれるのを見るのは胸のすく思いがしました。
それでは、また。