『召し上がりください』は「お」「て」なし敬語

一見敬語のように見えて、実は文法的に間違っている言葉を「偽敬語」と命名し、正しくはどう言うのかを解説しています。

 

先週はAIによる「お召し上がり方」の検索結果概要をご紹介しましたが、「召し上がる」だけでいくつあるかと思うぐらい、芋づる式に偽敬語が出てきますね。そこにあった「召し上がりください」が今回ご紹介する偽敬語です。

そうはいっても、AIはネット上にあるものを検索して引っ張ってきているだけですので、「召し上がりください」を正しい敬語として推奨しているサイトがあったわけです。

敬語を外してみる

さて、この言葉を見ても、さしておかしいとは思わないという読者のために、敬語を外してみましょう。

 

「召し上がる=食べる」ですから、

「召し上がりください」=「食べください」

となります。

 

……誤字脱字ではありませんよ。

誰かに「どうぞ、食べください」と言われたことがありますか。

「お土産です。皆さんで食べください」と書かれたメモを見たことがありますか。

日本語を母語とする人なら絶対にやらないミスを、敬語だとやってしまいがちです。

「お」or「て」を足す

では、「食べください」を直すとしたら、どう直しますか?

 

〇食べ「て」ください〇

もしくは

〇「お」食べください〇

と直しますよね。

 

敬語にしても同じです。

 

〇召し上がっ「て」ください〇

もしくは

〇「お」召し上がりください〇

と直します。

 

間違っても、「お」と「て」の両方を付けて

✖✖✖「お召し上がってください」✖✖✖

とはやらないでくださいね。

✖✖✖「お食べてください」✖✖✖

と言っているのと同じですよ。

 

それでは、また。